
目次
オーストラリア南東に浮かぶタスマニア島には、氷河がつくり出した山々や深い渓谷、数千万年前から姿を残す温帯雨林が広がっています。
その広大な自然を保護するタスマニア原生地域は、世界でも有数の手つかずの自然環境を誇り、多くの固有種が暮らす生命の宝庫です。
先住民アボリジナルの文化遺産も数多く残されており、自然と人類の歴史が共存する貴重な地域として世界的に高く評価されています。
名前:タスマニア原生地域
所在地:オーストラリア・タスマニア州
登録:1982年(1989年・2013年拡張)
分類:複合遺産
時代:約6億年前から形成された自然環境
特徴:温帯雨林 氷河地形 原生林が広がる広大な自然地域
代表的な場所:クレイドル山 セント・クレア湖 フランクリン川 サウスウエスト国立公園
文化:タスマニア先住民の文化遺産と豊かな自然
特技:世界最古級の植物群と多様な生態系を維持する
人との関係:先住民文化と自然保護が受け継がれている
状態:世界複合遺産として厳重に保護されている
タスマニア原生地域最大の特徴は、数千万年前の姿を今も残す太古の温帯雨林です。
ササフラスやキングビリー・パインなど古代から続く植物が生育し、氷河によって形成された湖や渓谷とともに壮大な景観をつくり出しています。
また、タスマニアデビルやハリモグラ、カモノハシなど、オーストラリア固有の野生動物が数多く生息しています。
タスマニア原生地域には約4万年前から先住民タスマニア・アボリジナルが暮らしていました。
洞窟や岩陰からは人類の暮らしを示す遺跡や壁画が発見されており、人と自然が長く共存してきた歴史を物語っています。
20世紀にはダム建設計画をきっかけに自然保護運動が広がり、その価値が世界的に認められて1982年に世界遺産へ登録されました。
クレイドル山はタスマニアを代表する山岳景観として知られ、鏡のような湖面に山々が映る美しい風景が広がります。
フランクリン川では原始の森と渓谷を縫うように清流が流れ、世界有数のリバークルーズやカヤックの名所となっています。
また、サウスウエスト国立公園には広大な原生林や湿原が残り、人の手がほとんど入っていない自然を体感できます。
タスマニア原生地域は、地球の自然史を示す地形や生態系、そして先住民文化が一体となって残されていることが高く評価されています。
氷河地形や世界最古級の植物群、多くの固有動植物に加え、人類の古い文化遺産も数多く残されています。
自然と文化の両方において卓越した価値を持つことから、世界複合遺産として登録されました。
現在は国立公園として厳格な自然保護が行われています。
外来種対策や森林火災への備え、希少動物の保護など、多くの保全活動が続けられています。
また、先住民コミュニティとも協力しながら文化遺産の保護や自然環境の維持にも取り組んでいます。
タスマニア原生地域は、自然を学び体験する場所として世界中から多くの人々が訪れています。
ハイキングやキャンプ、野生動物の観察などを楽しめる一方、自然環境への影響を最小限に抑えた観光が推進されています。
人と自然が共生する持続可能な保護活動は、世界各地の自然保全のモデルにもなっています。
タスマニア原生地域は、太古の森と氷河地形、そして先住民文化が共存する世界でも貴重な世界複合遺産です。
数千万年の時を超えて受け継がれてきた豊かな自然は、多くの固有生物の命を支え続けています。
地球の歴史と生命の多様性を未来へ伝える、かけがえのない自然遺産と文化遺産といえるでしょう。