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テンレックは、マダガスカルを代表するユニークな哺乳類です。ここでは一般に「テンレック」と呼ばれるTenrec ecaudatusを紹介します。英名はCommon Tenrec / Tailless Tenrec。太くがっしりした体と長く突き出した吻、背中の剛毛や針状の毛が特徴です。マダガスカルの森林や低木林などに生息し、主に夜間に地上を歩き回って餌を探します。
名前や姿からハリネズミの仲間に思われがちですが、テンレックはアフリカ獣類(Afrotheria)に属する独自のグループです。昆虫などの無脊椎動物を中心に、果実や小型の脊椎動物まで食べる雑食性の動物です。
名前:テンレック
学名:Tenrec ecaudatus
英名:Common Tenrec / Tailless Tenrec
分類:アフリカトガリネズミ目 テンレック科
生息地:マダガスカル、コモロ諸島など
全長/大きさ:約26〜39cm
体重:約250g〜2kg
食性:昆虫、ミミズ、果実、両生類、爬虫類、小型哺乳類など
寿命:飼育下で約5〜6年の記録あり
天敵:猛禽類、肉食性哺乳類など
特徴:太い体、長い吻、剛毛と針状毛、痕跡的な尾
特技:地面や落ち葉の中から餌を探す
人との関係:地域によって食用とされることがある
状態:現存種・低懸念(LC)
テンレック最大の特徴は、太く丸みのある体と、針状毛を含む独特な体毛です。
体色は地域によって灰褐色から赤褐色まで変化し、毛は単純な体毛だけではなく、太く硬い針状の毛も混ざっています。
特に首から背中にかけては長く硬い毛が発達しており、危険を感じるとこれらの毛を逆立てて身を守ります。
テンレックは見た目がハリネズミによく似ています。
しかし、ハリネズミとは分類上かなり離れた動物です。
テンレックはアフリカ獣類に属し、ゾウやハイラックスなどと同じ大きな系統群に含まれます。
「ハリネズミのような姿をした、まったく別系統の動物」というところもテンレックの面白さです。
顔を見ると、まず目立つのが細長く前へ伸びた吻です。
地面や落ち葉、倒木などに吻を近づけ、長いひげを使って餌の存在を探ります。
昆虫やミミズなどを見つけると、口を使って捕らえます。
テンレックは基本的に夜行性です。
夕方から活動を始め、夜の間に地面や落ち葉の中を歩きながら餌を探します。
1晩の間に比較的広い範囲を移動して採食することもあり、森林の地表を歩き回る生活に適応しています。
意外なことに、テンレックは水に入ることもあります。
マダガスカルでは水田などを泳いでいる姿が観察されることもあり、陸上だけでなく水辺も利用します。
テンレックは地面に穴を掘り、そこを休息場所として利用します。
活動時に使う巣穴のほか、乾季に長期間休眠するための穴も作ります。
休眠用の巣穴は1〜2mほどの長さになることがあり、入口を土で塞いで内部の環境を保ちます。
テンレックには、哺乳類としては非常に興味深い特徴があります。
食べ物が少なくなる乾季には、地中の巣穴に入って長期間の休眠を行います。
休眠中は体温や代謝が大きく低下し、活動を大幅に抑えます。
研究では、乾季に数か月にわたって休眠することが知られています。
テンレックは繁殖能力も非常に特徴的です。
1回の出産で1〜32匹の子どもを産むことがあり、哺乳類の中でも非常に多い部類に入ります。
平均的な産仔数も多く、森林や季節によって10〜20匹程度になることがあります。
成獣とは異なり、テンレックの幼獣には背中に白い縞模様が見られます。
さらに幼獣の背中には白い針状の毛が並んでいます。
成長するとこの特徴的な幼獣の模様は失われ、成獣らしい褐色系の体毛へ変化していきます。
テンレックは雑食性です。
主な食べ物は、
など。
地面や落ち葉、倒木の隙間などを探りながら、見つけた獲物を口で捕らえます。
敵に襲われたり驚いたりすると、背中の長い毛を立てて体を大きく見せます。
同時に、威嚇するような音を出すこともあります。
外敵から身を守るためのこの行動は、テンレックの特徴的な防御方法のひとつです。
テンレックは、太く丸みを帯びた体と長い吻、針状の毛を持つマダガスカルのユニークな哺乳類です。
夜になると地面を歩き回り、昆虫やミミズなどを探します。
乾季には地中の巣穴で長期間休眠し、繁殖期には一度に非常に多くの子どもを産むという、ほかの哺乳類とは少し違った生態も持っています。
ハリネズミによく似た姿をしていますが、分類上はまったく別系統。
針毛を逆立て、長い吻で地面を探り、乾季には土の中で眠る――テンレックは、マダガスカルの大地に適応した不思議な哺乳類です。