
目次
エボシダイは、世界各地の暖海に生息するエボシダイ科・エボシダイ属の海水魚です。
学名はNomeus gronovii、英名はMan-of-war fishです。
最大の特徴は、幼魚がカツオノエボシなどのクラゲ類と一緒に暮らすことです。カツオノエボシの触手の間を泳ぎ、その触手や生殖腺などを餌にします。成長すると生息する深さも変化し、成魚は深い海の底層で確認されています。
名前:エボシダイ
学名:Nomeus gronovii
英名:Man-of-war fish
分類:スズキ目・エボシダイ科・エボシダイ属
生息地:世界各地の暖海
全長/大きさ:最大約39cm
食性:カツオノエボシなどの触手・生殖腺、動物プランクトンなど
特徴:青銀色の体、幼魚の黒っぽい斑紋、大きな腹びれ
特技:カツオノエボシの触手の間で暮らす
人との関係:食用になることもある
状態:現存種
最大で約39cmの記録があり、幼魚は白銀色の体に暗い斑紋が見られます。
エボシダイ最大の特徴は、幼魚がカツオノエボシの触手の間で暮らすことです。
カツオノエボシは強い毒を持つ刺胞動物ですが、エボシダイはその触手に接触しながら生活できます。幼魚の時期から少しずつ触れることで、毒への耐性を獲得していくと考えられています。
エボシダイは、カツオノエボシの触手や生殖腺を食べることが知られています。
さらに、ほかのクラゲ類や動物プランクトンも利用するとされています。
かつては、エボシダイがカツオノエボシの触手に身を隠すことで外敵から守られ、その代わりに餌のおこぼれをもらう「相利共生」と説明されることがありました。
しかし、現在では単純な相利共生だけでは説明できないとされています。エボシダイ自身がカツオノエボシを積極的に食べることも分かっています。
エボシダイは成長に伴って、体の特徴だけでなく生活場所も変化します。
幼魚は海面近くを漂うクラゲ類と一緒に暮らしますが、成長するとより深い海へ移動し、成魚は水深200〜1000mほどの底層に生息することが知られています。
幼魚では、長く発達した腹びれも特徴のひとつです。
成長に伴って体色や体型、生息環境が変化するため、成長段階によってかなり印象の異なる魚になります。
エボシダイは世界各地の暖海に広く分布しています。
大西洋、インド洋、太平洋などに生息し、沖合の暖かい海域を利用しています。
エボシダイは、カツオノエボシの毒のある触手の中で暮らすという、非常に珍しい生態を持つ海水魚です。
幼魚はクラゲとともに漂いながら生活し、触手や生殖腺を餌として利用します。そして成長すると深い海へ移動していきます。
毒クラゲを恐れず、その触手の中を泳ぐ――エボシダイは、海の危険を味方につけた不思議な魚です。