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フクロアリクイは、オーストラリア南西部に生息する小型の有袋類です。学名はMyrmecobius fasciatus、英名はNumbat。赤褐色の体に白黒の縞模様が入り、細長い吻と長い舌を持つ独特の姿をしています。
名前に「アリクイ」とありますが、主食はアリではなくシロアリ。倒木や地面を探り、長い舌を使ってシロアリを次々と捕食します。2026年の評価では、保全活動の成果によってIUCNレッドリスト上のカテゴリーが「危急(Vulnerable)」から「準絶滅危惧(Near Threatened)」へ改善したと報じられています。
名前:フクロアリクイ
学名:Myrmecobius fasciatus
分類:哺乳綱 フクロアリクイ科 フクロアリクイ属
生息地:オーストラリア南西部の森林や低木地
全長/大きさ:約35〜45cm
体重:約0.3〜0.7kg
食性:主にシロアリ
寿命:野生では数年程度とされる
天敵:キツネ、ネコ、猛禽類など
特徴:赤褐色の体、背中の白黒の横縞、細長い吻、長い舌
特技:長い舌でシロアリを捕食する
人との関係:保全活動が行われている希少な有袋類
状態:準絶滅危惧(IUCN)
フクロアリクイ最大の特徴は、背中から腰にかけて並ぶ白黒の縞模様です。
赤褐色の体に白と黒の帯が入り、細長い体とふさふさした尾を合わせると、ほかのオーストラリアの哺乳類とはかなり違った印象になります。
この特徴的な模様は、森林の落ち葉や倒木の中で身を隠す際のカモフラージュにも役立つと考えられています。
名前からアリを食べると思われがちですが、フクロアリクイが専門的に食べるのはシロアリです。
地面や倒木を前足で探り、シロアリを見つけると非常に長い舌を伸ばして捕食します。
シロアリをほぼ専門的に食べる食性は、フクロアリクイの体つきや行動を決めている大きな特徴です。
フクロアリクイのもうひとつの特徴が、細長く伸びる舌です。
シロアリが潜む倒木の隙間や地面の穴へ舌を差し込み、付着したシロアリを口へ運びます。
シロアリを効率よく捕食するため、唾液腺も発達しています。
フクロアリクイは、ほとんどの有袋類とは異なり、昼行性です。
朝から活動を始め、シロアリを探して森林の地面を歩き回ります。暑い時間帯には休み、再び夕方に活動することもあります。
シロアリを主食とする生活が、昼間に活動する習性と深く関係していると考えられています。
フクロアリクイは、ただ歩き回るだけではありません。
前足を使って落ちた枝や倒木を動かしたり、地面を掘ったりしながらシロアリを探します。
シロアリが入り込んだ倒木を見つけると、鋭い爪を使って内部を探り、獲物を露出させます。
昼間に活動したフクロアリクイは、夜になると倒木の空洞などを利用して休みます。
細長い体を狭い空洞に収めることにも適応しており、倒木は捕食者から身を守る重要な避難場所になります。
フクロアリクイは名前の通り有袋類ですが、カンガルーのような目立つ袋を持っていません。
メスの腹部には幼獣を覆う袋がなく、乳頭の周囲を生えた毛などが幼獣を支える形になります。
「有袋類なのに袋がない」という点も、フクロアリクイのかなり変わった特徴です。
フクロアリクイはかつてオーストラリア南部の広い範囲に生息していましたが、人間による土地利用の変化や外来捕食者の影響によって大きく数を減らしました。
特にアカギツネや野生化したネコによる捕食は現在も大きな脅威です。保護区の整備や捕食者対策、飼育下繁殖などによって個体数の回復が進められています。
フクロアリクイは1970年代には約300匹まで減少したとされます。
その後、長期的な保全活動によって個体数は回復し、現在は推定2,000〜3,000匹と報じられています。
ただし、本来の分布域のごく一部にしか残っておらず、今後も継続的な保護が必要です。
フクロアリクイは、白黒の縞模様と長い舌を持ち、シロアリを専門的に食べるオーストラリアの小さな有袋類です。
昼間に森林の地面や倒木を調べながらシロアリを探し、細長い舌を使って次々と捕食します。
かつては絶滅寸前まで数を減らしましたが、長年の保全活動によって個体数は回復しています。
縞模様の小さな体で森を歩き、長い舌でシロアリを捕らえる――フクロアリクイは、オーストラリアが誇る不思議な“シロアリ専門ハンター”です。