
目次
カナダヤマアラシは、北アメリカの森林を中心に暮らす大型の齧歯類です。学名はErethizon dorsatum。英語ではNorth American porcupineなどと呼ばれます。ずんぐりとした体、短い脚、暗褐色から黒っぽい毛、そして背中や尾にびっしりと生えた白〜黄色がかった針毛が特徴です。北米ではビーバーに次いで大きな齧歯類のひとつです。
見た目はゆっくりしていて愛嬌がありますが、背中や尾の針毛は強力な防御手段。危険を感じると体を相手に向けて針毛を逆立て、尾を振って身を守ります。針を飛ばすことはありません。
名前:カナダヤマアラシ
学名:Erethizon dorsatum
分類:齧歯目 ヤマアラシ科
生息地:カナダ、アラスカ、アメリカ北部・西部などの森林や草原、岩場
全長/大きさ:約66〜79cm
体重:約4.5〜14kg前後
食性:草食性
寿命:野生では数年程度
天敵:ピューマ、コヨーテ、ボブキャットなど
特徴:ずんぐりした体、短い脚、長い針毛、短く筋肉質な尾
特技:木登り
人との関係:森林や農地周辺にも出現する
状態:現存種・低懸念(LC)
カナダヤマアラシ最大の特徴は、背中や尾を覆う鋭い針毛です。
針毛は特殊化した毛で、背中だけでなく体の側面や尾、脚の一部にも生えています。腹側には針毛がなく、柔らかな毛で覆われています。1匹あたり最大で約3万本もの針毛を持つとされています。
危険を感じると針毛を立てて体を大きく見せ、捕食者が接触すると針毛が抜けて刺さります。
ヤマアラシの有名な誤解が、**「針を飛ばして攻撃する」**というものです。
実際には針を飛ばすことはできません。
針毛は皮膚に緩く付いており、捕食者などが接触すると抜けて相手に刺さります。先端には小さな逆向きのトゲがあるため、刺さると簡単には抜けません。
カナダヤマアラシは、細長い体ではなくどっしりとした体型をしています。
脚も短いため、地上を歩くときはゆっくりとした独特の歩き方になります。
走って敵から逃げるタイプではなく、針毛を使った防御によって身を守る動物です。
見た目からは想像しにくいですが、カナダヤマアラシは優れた木登り動物です。
長く湾曲した爪と、木をしっかりつかめる足裏を使って幹を登ります。
尾も木の上で体を支えるのに役立ち、樹上で枝や葉を食べることがあります。
カナダヤマアラシは草食性で、さまざまな植物を食べます。
季節によって食べ物が変わり、冬には針葉樹の葉や樹皮、暖かい季節には草、葉、芽、若い枝などを利用します。
木に登って何時間も食事を続けることもあります。
カナダヤマアラシは主に夜行性です。
昼間は木の洞、岩の隙間、倒木などで休み、夜になると餌を探して活動します。
ただし、季節や環境によっては昼間に活動する姿が見られることもあります。
針毛は背中だけに生えているわけではありません。
頭部から背中、腰、尾にかけて広がり、体の側面や脚にも見られます。
一方、腹部には針毛がなく、通常の柔らかな毛に覆われています。
画像を作る場合も、「全身が均一にトゲで覆われている」ようにせず、背中から尾にかけて針毛が集中する姿がポイントです。
カナダヤマアラシの尾は、ウサギやキツネのようなふさふさした長い尾ではありません。
短く筋肉質で、木の上で体を支える役割があります。
尾にも針毛が生えているため、危険を感じたときには尾を相手に向けることがあります。
カナダヤマアラシも齧歯類なので、前歯が生涯にわたって伸び続けます。
硬い樹皮や枝をかじることができるよう、切歯は強く発達しています。
木の幹に樹皮を削った跡が残っている場合、その周辺にヤマアラシがいることもあります。
カナダヤマアラシは、カナダやアラスカ、アメリカ北部・西部など広い範囲に分布しています。
森林だけでなく、低木地、草原、岩場などさまざまな環境を利用します。
特に樹木や植物が豊富で、身を隠せる場所のある環境に適しています。
カナダヤマアラシは、ずんぐりとした体と短い脚、背中から尾にかけて生える大量の針毛を持つ北米の大型齧歯類です。
動きはゆっくりですが、木登りは得意。夜になると森林の中を移動し、葉や枝、樹皮などを食べます。
危険が迫ると針毛を逆立て、背中や尾を相手に向けて身を守ります。
ゆっくり歩くのに木登りは得意、そして背中には約3万本もの針毛――カナダヤマアラシは、北米の森で独特の生き方をする“針毛の森の住人”です。