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間中のささらは、茨城県桜川市の旧岩瀬町・間中地区に伝わる三匹獅子舞の伝統芸能です。
桜川市の資料では「ささら舞」として市指定無形民俗文化財に登録されており、指定日は昭和53年(1978年)4月22日、保存団体は間中ささら保存会とされています。
この舞は、かつて八朔祭りとも呼ばれ、間中神社の境内で家内安全や五穀豊穣、国家安寧などを祈願するために行われてきました。
大きな特徴は、三頭の獅子が登場すること。
黒、青、白の獅子が太鼓や笛の音に合わせて舞い、竹製の「ささら」をこする独特の音から、**「ザッザカ踊り」**とも呼ばれたと伝えられています。
所在地:茨城県桜川市間中
舞台:間中神社
種類:三匹獅子舞・民俗芸能
別称:八朔祭り・ザッザカ踊り
特徴:三頭の獅子による獅子舞
祈願:家内安全・五穀豊穣・国家安寧
文化財:桜川市指定無形民俗文化財
指定:昭和53年(1978年)4月22日
保存団体:間中ささら保存会
間中のささらには、古くから伝わる歴史があります。
桜川市の地域文化を紹介する資料では、江戸時代初期から間中に伝わる八朔祭りの舞とされ、田楽の獅子舞から発達したものと紹介されています。
一方で、その起源については複数の伝承があります。
ひとつは江戸時代初期に始まったとする説。
もうひとつは、慶長9年(1604年)に伊豆から移住してきた人物によって伝えられたとする説です。国立民族学博物館の研究報告でも、岩瀬町間中について伊豆から伝わったという由来伝承が紹介されています。
つまり、400年以上前にさかのぼる可能性を持つ伝統芸能なのです。
間中のささらは、いわゆる一人立三匹獅子舞の系統に属する民俗芸能です。
三匹の獅子が舞場に入り、太鼓や笛、唄などに合わせて舞を展開します。
三匹獅子舞では、一般的に雄獅子2頭と雌獅子1頭を中心に舞が構成され、雌獅子をめぐる獅子同士の動きなどが演じられる例があります。国立民族学博物館の研究でも、岩瀬町間中の三匹獅子舞が茨城県のささら文化の一例として取り上げられています。
間中のささらには、非常に印象的な別名があります。
それが、「ザッザカ踊り」。
名前の由来は、獅子舞に使われる竹製の「ささら」です。
竹製のささらをこすると、
ザッザカ、ザッザカ――。
という独特の音が響きます。
この音から、地域では「ザッザカ踊り」と呼ばれるようになったと伝えられています。
獅子の舞だけではなく、楽器そのものが名前の由来になっているところも、間中のささらの面白いところです。
間中のささらは、八朔祭りに踊られていた舞としても知られています。
八朔とは、旧暦8月1日のこと。
農作物の収穫を控えた時期に、五穀豊穣や家内安全などを願う行事として各地で行われてきました。
間中では、間中神社の境内を舞台として、地域の人々の願いを込めた獅子舞が奉納されてきました。
三匹の獅子だけで舞が完成するわけではありません。
ささら舞には、笛や太鼓などの囃子が伴います。
笛の音が流れ、太鼓のリズムが刻まれる。
そこへ獅子の動きが加わる。
さらに、ささらをこする独特の音が重なります。
静かな神社の境内に、複数の音が響き渡ることで、独特の祭礼空間が生まれます。
茨城県を含む東日本の三匹獅子舞には、獅子だけではなく、道化役などが加わる例もあります。
国立民族学博物館の研究では、茨城県の三匹獅子舞について、ヒョットコ・オカメ・狐などの面を着けた道化役が登場する例や、獅子の舞を盛り上げるさまざまな役が紹介されています。
こうした周辺の役柄も含めて、地域ごとに異なる独自の芸能文化が形成されています。
間中のささらは、桜川市が大切に保存している民俗芸能のひとつです。
市の文化財資料では、**「ささら舞」**として無形民俗文化財に指定されています。
また、桜川市の文化財保存・活用に関する資料でも、**「間中ささら舞」**は同市に伝承されてきた多様な伝統芸能のひとつとして挙げられ、保護・保存・伝承の重要性が示されています。
間中のささらは、長い歴史を持つ一方、地域の伝統芸能が抱える継承の難しさもあります。
地域資料では、かつて間中地区で受け継がれていた舞として紹介され、現在の活動状況については資料によって情報に差があります。2024年の地域記録では、現在は活動している様子が確認できないとして「失われた民俗舞踊」とする記述もあります。
一方、桜川市の文化財資料には現在も間中ささら保存会が保存団体として掲載されています。
そのため、現在の奉納状況については、最新の地域情報を確認する必要があります。
「ささら」は間中だけのものではありません。
茨城県内には、ささらや三匹獅子舞と呼ばれる民俗芸能が各地に伝わっています。
常陽藝文センターの映像資料でも、茨城県内のささら舞を紹介する作品の中に**「間中のささら」**が収録されています。花園のささら、悪戸新田獅子舞、富田のささらなどとともに、茨城のささら文化を代表する芸能のひとつとして扱われています。
地域によって獅子の姿、衣装、舞、囃子、道具などが異なるため、見比べるとそれぞれの土地の個性がよく分かります。
間中のささらは、映像にすると非常に魅力的な伝統芸能です。
三頭の獅子。
揺れる獅子頭。
激しく動く装束。
響き渡る笛と太鼓。
竹製のささらから生まれる独特の音。
そして、古い神社の境内。
三頭の獅子が一斉に舞う瞬間には、現代の日常とはまったく違う空気が生まれます。
静かな山里に残る、濃密な民俗芸能の世界です。
間中のささらは、茨城県桜川市間中に伝わる三匹獅子舞です。
江戸時代初期から伝わるとされ、八朔祭りの舞として間中神社の境内で奉納され、家内安全や五穀豊穣、国家安寧などを祈願してきました。
三頭の獅子。
笛と太鼓。
竹製のささら。
そして「ザッザカ」と響く独特の音。
桜川市指定無形民俗文化財として、地域の歴史を伝える大切な民俗芸能です。
江戸時代から続く獅子舞と、地域の祈りが重なる茨城・桜川の伝統。
それが、間中のささらです。