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サワカヤマウスは、アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコ湾周辺の塩性・汽水性湿地に生息する小型の齧歯類です。学名はReithrodontomys raviventris、英名はSalt Marsh Harvest Mouse。キヌゲネズミ科カヤマウス属に分類されます。
体長は頭胴長で約7.6cm、体重は10g未満と非常に小型です。背面は暗褐色、腹側はピンクがかったシナモン色や黄褐色で、尾も上下で色が分かれるのが特徴です。
名前:サワカヤマウス
学名:Reithrodontomys raviventris
英名:Salt Marsh Harvest Mouse
分類:齧歯目 キヌゲネズミ科 カヤマウス属
生息地:アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ湾周辺の塩性・汽水性湿地
体長:約7.6cm(頭胴長)
体重:10g未満
食性:植物を中心に、昆虫なども利用
活動時間:主に夜行性
特徴:小さな体、暗褐色の背面、シナモン色〜黄褐色の腹側、上下で色が異なる尾
生息環境:塩生植物が生える湿地、ヨシ類などの密生した湿地
保全状況:絶滅危惧種(Endangered)
サワカヤマウスは非常に小型のネズミです。
頭から胴体までの長さは約7.6cm、体重は10g未満とされ、手のひらに収まるほどの大きさです。
小さな体で湿地の草むらを移動し、植物の間を縫うように生活しています。
体の上側は暗褐色で、腹側へ向かうにつれて明るくなります。
サンフランシスコ湾国立野生生物保護区の資料では、背面はdark brown、腹側はpinkish cinnamonまたはtawnyとされています。
この濃淡のコントラストが、サワカヤマウスの特徴的な体色です。
腹部や体の下側は、背中より明るいシナモン色から黄褐色です。
全身が単純な茶色ではなく、背中の暗い色と腹側の明るい色が分かれているため、小さな体でも独特の印象があります。
サワカヤマウスは、尾にも背面と腹面の色の違いがあります。
尾の上側は暗め、下側は明るめになり、体の色分けとよく似たパターンをしています。
サワカヤマウスが暮らすのは、一般的な森林や草原ではありません。
主な生息地は、サンフランシスコ湾の沿岸湿地です。
特に塩生植物の一種であるピクルウィード(Salicornia)などが生える湿地と強く結びついています。
名前からも分かるように、サワカヤマウスは塩分のある環境への適応が大きな特徴です。
北部亜種では海水を飲むこともできるとされ、南部亜種も淡水より適度に塩分を含む水を好むことが報告されています。
海辺の湿地という特殊な環境で暮らせる、小さなスペシャリストです。
食べ物として重要なのが、塩性湿地に生えるピクルウィードです。
葉、茎、種子などを食べ、ほかにもさまざまな植物を利用します。
近年の研究では、植物だけでなく甲虫や端脚類などの昆虫・小型無脊椎動物も食べることが確認されています。
サワカヤマウスは主に夜間に活動する動物です。
昼間は密生した湿地植物の中などに身を隠し、暗くなってから餌を探して移動します。
小さな体を生かして、植物の茂みの中を移動します。
生息地では、ピクルウィードだけでなく、ヨシ類などの背が高く密生した湿地植物も重要です。
特に厚く堆積した植物の枯れた部分や、高潮・洪水から逃れられる少し高い場所が重要な環境とされています。
「塩性湿地のネズミ」ですが、常に海水だけを飲んで暮らしているわけではありません。
亜種によって水分利用の傾向には違いがあり、淡水や汽水など、環境に応じて利用しています。
サワカヤマウスが特に問題を抱えているのが、生息する湿地そのものの減少です。
サンフランシスコ湾周辺では歴史的な湿地の大部分が失われ、生息地の分断も進んでいます。研究では、現在の生息域が歴史的な範囲の25%未満になっているとの報告もあります。
サワカヤマウスは、アメリカの連邦絶滅危惧種法で1970年からEndangered(絶滅危惧)に指定されています。IUCNでも絶滅危惧とされています。
主な脅威には、湿地の消失、分断、植生の変化などがあります。
サンフランシスコ湾周辺では、サワカヤマウスの生息環境を守るため、湿地の保全や復元が行われています。
1972年にはサンフランシスコ湾国立野生生物保護区が設立され、南湾の湿地などが保護されています。
サワカヤマウスは、カリフォルニア州サンフランシスコ湾周辺の塩性・汽水性湿地に暮らす非常に小さな齧歯類です。
暗褐色の背中とシナモン色から黄褐色の腹側、上下で色の異なる尾を持ち、塩生植物が生える湿地の茂みを生活場所としています。
植物の葉や種子などを食べる一方、昆虫なども利用し、夜になると湿地の草むらを動き回ります。
生息地である沿岸湿地の減少や分断によって大きな影響を受けており、現在は絶滅危惧種として保護されています。
海辺の塩性湿地という限られた環境に適応し、わずか数センチの体で植物の茂みを生き抜く――サワカヤマウスは、カリフォルニアの湿地を象徴する小さな希少動物です。