
目次
三重県志摩市を中心とする伊勢志摩地方で古くから親しまれてきた「きんこ」。
サツマイモの一種「隼人芋(はやといも)」を煮て、厚めに切り、冬の冷たい潮風と天日でじっくり乾燥させた伝統的な干し芋です。
ねっとりとした柔らかな食感と、サツマイモ本来の濃厚な甘み、美しいべっこう色が特徴で、海女や漁師たちのおやつとして受け継がれてきました。
名称:きんこ
別名:きんこ芋・煮切り干し
地域:三重県志摩市・伊勢志摩地方
種類:郷土料理・郷土菓子・干し芋
主な材料:隼人芋(サツマイモの一種)
味:サツマイモ本来の濃厚で優しい甘み
特徴:煮た隼人芋を厚めに切り、天日干しする
食べ方:そのまま食べる、お茶請け、軽く炙る
旬:冬(12月〜翌年1月頃)
伝統:海女や漁師の保存食・おやつ
最大の特徴は、鮮やかなオレンジ色の果肉を持つ隼人芋を使用することです。
一般的な干し芋は蒸して作ることが多いのに対し、きんこは芋を煮てから乾燥させます。
厚みがあり、ねっとりと柔らかく、噛むほどに自然な甘みが広がります。
伊勢志摩地方では、古くからサツマイモが海辺のやせた土地でも育つ貴重な作物として栽培されてきました。
収穫した芋を長期間保存するため、冬の潮風と日差しを利用して干し芋に加工する文化が発展しました。
名前は、干したナマコの一種「キンコ」に形が似ていることに由来するといわれています。
海女や漁師が仕事の合間に食べるおやつとして親しまれ、現在では志摩市の「志摩ブランド」にも認定されています。
秋に収穫した隼人芋を一定期間貯蔵し、甘みを引き出します。
大釜で柔らかく煮てから蒸らし、縦に厚めに切り分けます。
竹製のせいろなどに並べ、冬の冷たい潮風と天日に当てながら、何度も裏返して乾燥させます。
べっこう色になったきんこは、そのまま食べるほか、軽く炙ってもおいしく味わえます。
きんこは、三重県志摩市を中心とする伊勢志摩地方に伝わる郷土食です。
ねっとりとした食感とサツマイモの自然な甘みに、海女や漁師の暮らしと、冬の潮風を生かした志摩の食文化が息づく伝統の味です。